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プラスチックペレットの画像

ガス焼け発生のメカニズムと対策方法

問題①:ガス焼け

Agenda

用語説明

ガスとは

ガスとは? What is Gas?

熱分解によりガスが発生する画像

​ガスとは樹脂内に含まれる揮発性成分や分解生成物が高温下で気化・ガス化したものです
樹脂の種類により成分は異なってくるので発生量の多い少ないはありますが、基本的にどの種類の樹脂でも高温化ではガスが発生します。
​このガスは揮発性成分を含むので、状況によっては発火する可能性もあります

ガス発生の様子
(ノズル先端から高温で溶融した樹脂と共にガスが発生する)

ガス焼けとは

ガス焼けとは? What is Gas burn?

ガス焼け発生のメカニズム

樹脂から発生したガスが射出成形のプロセスにおいて金型内に充填された場合
金型内は基本的に密閉された空間であるので樹脂の充填と共にガスの体積がどんどん圧縮
​されていきます。この時、圧縮されたガスは高温になり発火・爆発が発生します。
​それにより樹脂が焦げ、成形品表面が変色したようになります。これをガス焼けと呼んでいます

 

プラスチック製品におけるガス焼けの様子

ガス焼け発生の様子
(発火・爆発により樹脂が焦げ、成形品表面が変色する)

対策方法①

対策方法①

ガス焼けの対策方法①:成形条件の見直し

成形材料を溶融するシリンダ温度が高すぎると材料が熱分解して全体が変色する。
またシリンダ内の滞留時間が長すぎても同じように熱分解してやはり変色する。
成形現場では高粘度のプラスチックは流れやすくするためにシリンダ温度や速度を
高くして成形する傾向が多いです

成形条件によるガス焼けの要因
対策方法②

対策方法②

ガス焼けの対策方法②:ガスベントの設置
 

ガスベントは通常、金型の一部に組み込まれ、金型内の気体を排出するための経路を

提供します。金型が閉じられるときや材料が注入されるときに、ガスはガスベントを通って

金型から外に排出されます。

ガスベントの設計は、金型の形状や材料の特性に応じて最適化されます。

十分なガスベントが設けられていないと、気体が金型内に閉じ込められる可能性があります。

逆に、過剰なガスベントが設けられると、材料の漏れや不均一な成形が発生する可能性があります。

使用樹脂によるガスベント深さ一覧
ガスベント設置場所
SG-WIND

対策方法③ 

ガス焼けの対策方法③:ガス抜き入れ子の設置
 

ガスベントは最終充填箇所に設けられる場合が殆どですが、ガス抜き入れ子にすれば充填途中の

成形品のエリアにもガス抜きを設置することが出来ます。

スリット形状や穴を有した金型ではウエルドラインやエアトラップは必ず最終充填箇所に

発生するわけではないので任意の場所にガス抜き入れ子を設定してウエルドラインやエアトラップ

​を目立たせなくします。

 

 

ウエルドライン・エアトラップが発生する領域を狙って​ガス抜き入れ子を設定した成形結果

発生したガスが広い面積で排気することが出来るのでウエルドラインが目立たず、エアトラップ

も発生しません。今回は手の平サイズの成形品ですが、自動車バンパーのような大型成形品に

なると形状も複雑になり、使う樹脂の量も増えるので必然的にガスの発生量も増えます。

​大型成形品であるほど、いかにガス抜きをおこなっていくかが重要になってきます。

ガス抜き入れ子の例(ハーモニカ型)
金型内の樹脂の流れの様子
ガス抜き入れ子の設置場所

Advance①

ガス抜き入れ子:SG-WIND

金型もつくる成形屋が設計したガス抜き入れ子

sg.png

Advance②

CAE:流動解析による予測

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