熱可塑性CFRP(CFRTP)は温度を加えることで射出成形品と溶着することが可能です。
しかし、実際のプロセスにおいて溶着を実施した場合、どれくらいの強度が見込めるのか?
弊社では射出成形用金型を用いて強度検証を実施しました。
CFRTP射出溶着サンプル(PA6:PA6)
試験には熱可塑性CFRTP(PA6)の積層プレス品とボス穴&リブを射出成形にて溶着を行ったサンプルを使用した。
試験結果
見かけ上溶着しているように見えた射出溶着でしたが、溶融領域の確保が難しく、十分な
溶着強度が得られませんでした
また、樹脂成形品の成形後収縮の影響により、何もしなくても剝がれてしまうこともありました。
このことから
・射出溶着を実施する場合はCFRTPも十分に加熱する必要がある
と言えます。
しかしながら、CFRTPを溶着可能な領域まで加熱するには温調器の見直しが必要で設備費用が上がってしまいます。また、加熱によるCFRTP内部のボイドの発生も無視できません。
つまり、ボスやリブをCFRTPへ溶着するには
・局所的かつ瞬間的に樹脂の溶着温度まで上昇させる必要がある
という結論に至りました。
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