射出成形機の基本的機能は以下の5つの部分で構成される
①型締機構・・・金型の開閉及び締付けを行う
②射出機構・・・材料を溶融して高圧で金型に充填する
③機械本体・・・フレーム
④油圧駆動部
⑤電気制御部
金型駆動圧力のエネルギー源として油圧が一般的であるが、近年NCステッピングモーターを利用した伝導式射出成形機も登場している。油圧を使用しないので油漏れの心配はない。
NC工作機を得意とする富士通ファナックが最初に開発し、その後成形機メーカー各社から発売されている。中小型機が主流である。
図1 インラインスクリュー式射出成形機(直圧式)の構造
直圧式型締装置
型締めピストン(ラム)が直接可動盤に連結されていて型締シリンダー内の油圧により金型の締付けを行う。機械的に力を増大する装置はなく、流体の圧力によって直接金型の締付けを行うことから直圧式と呼ばれている。
型締力F(tf)とすれば、次式で表される。
F=(π×D^2)/4×P/1000
上の式から、型締力を大きくするには、型締シリンダを大きくするか、油圧を高くすればよい。
図2 型締力
<直圧式型締め装置の特徴>
①金型に対する型締力のかかり方
直圧式の型締め装置では、このように金型に型締め力が均一にかかりやすい
②型締ストローク
シリンダの長さにより任意に設定できるので制約が少ない
③型厚調整
型厚が変わっても調整が不要
④型締力
油圧ゲージにより正確に知ることができる。
⑤型開閉時間(速度)
油圧を利用し大きなシリンダで型開閉させるので、型締完了まで時間がかかる
⑥その他
油圧という圧縮性のある油により金型を締付けるので、型を開こうとする力に対して比較的、抵抗力が弱い
図3 直圧式での金型に対する型締力
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