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サーボモーター使用によるスライド作動時間の削減事例

製造業における効率化は、常に追求される課題です。特に大量生産が求められる現場では、1秒の時間短縮が大きな利益を生むことがあります。今回は、富山工場での取り組みから、「サーボモーターを使用したスライド作動時間の削減事例」についてご紹介します。


背景と目標設定

カラーコピー機のトナー容器

今回の取り組みは、弊社の富山工場で生産されているトナー容器の製造プロセスを改善するものです。従来使用していた金型は、油圧シリンダーを用いてスライド作動を行っていましたが、このプロセスには改善の余地がありました。具体的には、スライドの開閉に時間がかかり、全体の成形サイクルタイムを引き延ばしていたのです。目標は、サイクルタイムを1秒以上短縮し、年間500万円以上のコスト改善を達成することでした。


スライド金型とは?

スライド金型の構造

ここで少し、スライド金型について解説します。スライド金型とは、成形品の側面や裏側にアンダーカット(型から引き抜けない形状)がある場合に使用される特殊な金型です。通常の金型では成形できない複雑な形状を作り出すために、金型の一部が横方向にスライドする仕組みを持っています。このスライド動作が、今回のサイクルタイム短縮の鍵となります。


改善策:油圧からサーボモーターへ

改善策:油圧からサーボモーターへ

従来の油圧シリンダーは、スライドの動作に時間がかかるだけでなく、左右のスライドの動きにばらつきがありました。これに対して、新たに導入されたサーボモーターとボールねじシステムは、より迅速かつ正確なスライド動作を実現しました。この変更により、スライドの開閉時間が15.2秒から13.4秒へと、1.8秒の短縮が達成されました。これは単に時間の短縮にとどまらず、左右の動作のばらつきもなくなり、より安定した成形が可能になったのです。また、シリンダーが不要になった分、型の大きさも2.4m➡1.8mへ小型化も出来ました。


今回の改善事例では成形サイクルを短縮しコスト削減になるだけでなく、他機種金型への横展開を行うことで工場全体の生産性を大きく向上させることも出来るでしょう。

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