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プラスチック塗装における表面処理と必要設備


プラスチックの塗装は外観面の向上(比較的容易に多色が出来る。金属的な外観にもできる)電気絶縁性の低下、耐光性の向上、抗菌性の付与などの目的で行われる。

塗装はホットスタンピングに比べると一般には経済的である。また、ホットスタンピングでは困難な凹凸面の処理が容易である。しかし、見切り(塗装部分と非塗装部分の境界)の形状によりマスキングが困難であり、技術的、経済的、意匠的にホットスタンピングに劣る場合がある。

なお、塗装として従来は有機溶剤を使うタイプが主流であった。しかし、最近は環境問題への対処から水ベースの塗料の開発が進んでいる。


①塗装の前処理

成形では、よく離型剤が使用されるが、この場合シリコン系の離型剤を使用すると、成形品の表面で塗装をはじき塗膜が付着しない。故にやむなく離型剤を使用する場合はステアリン酸塩系の離型剤を使用する。また成形品に付着した離型剤はアルコール類、ヘキサンなどの溶液や中性洗剤あるいはサンディングなどで除去することが出来る。

極性の小さい樹脂は密着が悪いため、ポリアミドはリン酸処理を、ポリオレフィン系はハロゲン化、紫外線暴露、強酸化物処理、火炎放射、コロナ放電等、それぞれの樹脂に合った方法で表面極性基を生成してから塗装する必要がある。

成形品に付着したゴミは、イオン化空気・ブロワーなどで除去する。成形品にゴミをつきにくくする方法として、帯電防止と離型剤除去を目的とした金剛駅を吹き付けるか、これをつけた布で拭き取る。


②塗装方法

塗装方法には様々な種類があるが、プラスチックの塗装ではエアースプレー塗装が主流である。しかし、単純な形状の塗装にはエアーレススプレーがが生産性の良さから採用されることがある。スプレー塗装では、塗装や溶剤の組み合わせ及び粘度、吹き付けパターン吐出量、吹き付けの距離、角度、速度、間隔、方向、回数などが塗装製品の品質に重要な影響を与える。塗装と溶剤は同一のメーカー品を用いないと思わぬ不良を派生させたりする。


③塗装設備

塗装室を設計する際は、壁面、天井、照明器具、ブース上などに埃のつかない構造にし、吸気方法も塗装室に合った形にする。(強制給気は経済性や作業性が悪いのでフィルター面積を大きくとる)などの配慮が必要である。塗装工程にロボットを使用すると品質の安定に貢献できる。また塗装・セッティング・乾燥工程を一つの機構とした塗装装置も比較的安価に設備できるようになっている。表1に塗装設備の概略を示す

                 表1 塗装設備の概略


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