射出成形における「ガス焼け」とは、プラスチック製品の表面に生じる特定の欠陥のことを指します。射出成形は、高圧で溶融したプラスチック材料を射出成形機の金型内に射出し、冷却して製品を形成するプロセスです。この過程で、プラスチック材料から発生する可燃性ガス(低分子量成分、水分、難燃剤等)と空気が、金型内で急速に断熱圧縮されることでガスが燃焼してプラスチック成形品が焼け焦げる問題が生じる場合があります。
ガス焼けが発生すると、変色や、焼けた部分がショートショットとなり不良品となります。また、ウェルド部分で焼けが発生すると強度が極端に低下するので注意が必要です。
ガス焼けの主な原因は以下のような要素です
①プラスチック材料
射出成形に使用されるプラスチック材料は、製造プロセスや原料によって添加された
可塑剤、溶剤、脱型剤、安定剤などの揮発性成分が含まれる場合があります。
射出成形において、これらの成分が、高温下で気化し可燃性のガスとして放出される
場合は、ガス焼けの原因となります。
PPS,ABS,PPO,PA,PBTは、ガス発生が多い材料です。
②成形
射出成形で、プラスチック材料を高速で射出した場合、金型に十分なガス抜きが設け
られて無い場合、プラスチック材料から発生した可燃性ガスが、金型から充分に逃げる
時間がなく空気と一緒に急速に断熱圧縮されるため、高温となり酸化燃焼で焼けが発生
することがあります。
③製品・金型設計
製品や金型の設計仕様で、ガスが溜まりやすい形状なのに、十分なガス抜きが設け
られない場合ガスが閉じ込められ、ガス焼けが発生することがあります。
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