引張試験機を使用してプラスチックの物性を測定する手順を以下にまとめます。
引張試験の手順
試験片の準備
標準に基づいて試験片を作成します。試験片の形状やサイズは、ASTM D638やISO 527などの規格に従います。 試験片は、引張試験の結果に影響を与えるため、傷や欠陥がないことを確認します。下の画像では打ち抜き治具を使用して試験片を打ち抜いています。
試験片の装着
試験片を引張試験機のチャックに取り付けます。試験片が正確に中央に位置するように注意します。 試験片が緩まないように、しっかりと固定します。
試験の実行
試験を開始し、引張試験機が試験片に一定の速度で引張力を加えるようにします。 試験中は、変位計やひずみゲージを使用して試験片の変形量が測定されます。 試験機は、試験片が破断するまで引張力を加え続けます。
データの記録
試験機のデータ収集システムを使用して、応力(力)とひずみ(変形量)のデータを記録します。 応力-ひずみ曲線を生成し、これに基づいて引張強度、降伏強度、伸び率、弾性率などの物性値を算出します。
試験結果の分析
得られたデータを解析し、規格や基準に基づいて評価します。
試験結果を報告書にまとめ、試験条件や試験片の特性、試験結果のグラフや数値を含めます。
引張試験の主な物性値
引張強度: 試験片が破断する際の最大応力。
降伏強度: 材料が永久変形を始める応力。
伸び率: 試験片が破断するまでの変形の割合(破断伸び)。
弾性率: 応力とひずみの線形範囲における比率(ヤング率)。
引張試験は、プラスチック材料の機械的特性を評価するための基本的な試験方法であり、材料の選定や品質管理に重要な情報を提供します。
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